このサイトは、国語研リポジトリにある以下のデータを使用して制作しています。

日本語基本動詞データベース(バージョン2026.02)

日本語格助詞データベース(バージョン2026.04)

日本語格助詞バンクとは

日本語格助詞バンク(以下、略称、格助詞バンク)は、日本語の格助詞の用法を体系的に整理したオンライン辞書です。日本語のそれぞれの格助詞の意味を知りたい学習者や、ガ格とヲ格、ガ格とニ格のように、複数の格助詞がどのように組み合わされて、どのような動詞で使われるかを学びたい学習者を対象としています。また、日本語教師が授業での提示や学習者指導の補助として活用することも想定しています。

文を作るときに必要になる要素(名詞あるいは名詞句)は動詞によって異なります。日本語では、それぞれの要素が文の中でどのような役割を果たすかを、「が」「を」「に」などの格助詞で示します。次の例を見てみましょう。

① 花子が 早く 歩いた。
(「花子」は動作をする人で、自動詞「歩く」の主語にあたります。)
② おもちゃが 壊れた。
(「おもちゃ」は変化するもので、自動詞「壊れる」の主語にあたります。)
③ 子どもが おもちゃを 壊した。
(「子ども」は他動詞「壊す」の主語、「おもちゃ」は直接目的語にあたります。)
④ 太郎が 花子に お土産を あげた。
(「太郎」は複他動詞「あげる」の主語、「花子」は間接目的語、「お土産」は直接目的語にあたります。)

①と②では、「歩く」「壊れる」が必要とする要素は、それぞれ「花子」「おもちゃ」の一つです。③の「壊す」では「子ども」と「おもちゃ」の二つ、④の「あげる」では「太郎」「花子」「お土産」の三つになります。

日本語では、格助詞を使って主語、直接目的語、間接目的語などを示します。次の図は④を例に、名詞句が表す「意味役割」(動作主、受け手、対象など)と、文の中で果たす「文法上の役割」(主語、間接目的語、直接目的語)との関係を示しています。

「太郎が花子にお土産をあげた」の単語・意味役割・文法上の役割の対応図

①~④を英語に訳すと、次のようになります。

⑤ Hanako walked quickly.
⑥ The toy broke.
⑦ The child broke the toy.
⑧ Taro gave a souvenir to Hanako.

英語では、主語や目的語は主に語順によって示されます。また、⑧の to Hanako のように、受け手を前置詞で示すこともあります。このように、意味役割と文法上の役割の表し方は、言語によって異なります。

格助詞は、主語や目的語を示すだけでなく、場所(東京で)、手段(バスで)、道具(はさみで)、所要時間(10分で)、時点(3時に)、情報源や相手(先生に聞く)、到達点(先生に伝える)、起点(5時から、名古屋から)、終点(8時まで、九州まで)、経路(道を)なども表します。「で」や「に」のように、一つの助詞に複数の使い方がある場合もあります。どの意味をどの形式で表すかは、言語によって異なります。

学習者の母語には、日本語の格助詞に相当する形式がない場合があります。相当する形式があっても、表せる意味の範囲が日本語とは異なることがあります。そのため、格助詞を使い分けることは日本語学習者にとって難しく、教師も教え方を工夫する必要があります。

格助詞バンクでは、格助詞が使いこなせるようになるための4つの機能を提供しています。これらの機能は画面上のメニューで切り替えることができます。

格助詞一覧

「が」「を」「に」「へ」「で」「から」「まで」「より」「と」から格助詞を選ぶと、その格助詞のページが開きます。各ページでは、その格助詞がどのような意味で使われるかを使用頻度の高い順に示し、意味ごとの用例を見ることができます。典型的な要素として使われる場合と、周辺的な要素として使われている場合を切り替えて見ることもできます。

格と意味から検索

一つの格助詞が表す意味を調べることができます。同じ格助詞でも、文の中で果たす意味はひとつとは限りません。例えば「ガ格」では、「子どもが遊ぶ」の「子ども」は〈行為をする人〉を、「氷が砕ける」の「氷」は〈変化する物〉を表します。調べたい意味を選ぶと、その意味で使われる動詞と用例が表示されます。

意味役割から検索

意味役割(助詞が付いた名詞句が文中でどのような意味的な役目を担っているかを示すラベル)から、それに対応する格助詞・動詞・用例を調べることができます。意味役割は「ヒト」「モノ」「時間」「空間」などのグループに分けて示しています。例えば〈行為をする人〉を選ぶと、その意味役割がどの格助詞で、どのような動詞とともに使われるかを見ることができます。

格パターン検索

動詞の典型的な格の数と、その組み合わせから、該当する動詞と用例を調べることができます。例えば「格が2つ」から「ガ格とヲ格」を選ぶと、その組み合わせで使われる動詞と用例が表示されます。格の数は1つから4つまで選べます。

メンバー

日本語基本動詞データベースと日本語格助詞データベースの制作にかかわったメンバーです。

プロジェクトリーダー
  • プラシャント パルデシ Prashant PARDESHI
■ 日本語基本動詞データベース
監修
  • 砂川有里子 SUNAKAWA Yuriko
校閲
  • 尾沼玄也 ONUMA Genya
  • 関かおる SEKI Kaoru
  • マダドナーめぐみ MADERDONNER Megumi
執筆
  • 片山奈緒美 KATAYAMA Naomi
  • 古島友也 FURUSHIMA Tomoya
  • 飯田朋子 IIDA Tomoko
  • 日暮康晴 HIGURE Yasuharu
  • 猿橋亜希 SARUHASHI Aki
  • プレル大石まりい PROELL-OISHI Marii
  • 玉置充子 TAMAKI Mitsuko
  • 梅津聖子 UMEZU Seiko
■ 日本語格助詞データベース
理論研究班
  • 岸本 秀樹 KISHIMOTO Hideki 共同研究者・格助詞意味役割方式策定・アノテーション監修
  • 大島 デイヴィッド 義和 OSHIMA David Yoshikazu 共同研究者
  • 堀内 仁 HORIUCHI Hitoshi 共同研究者
  • 眞野 美穂 MANO Miho 共同研究者
  • 江口 清子 EGUCHI Kiyoko 共同研究者
  • 砂川 有里子 SUNAKAWA Yuriko 共同研究者・基本動詞班監修
  • 石川さくら ISHIKAWA Sakura 共同研究者
  • 田村 直子 TAMURA Naoko 共同研究者
  • 長崎 郁 NAGASAKI Iku 共同研究者
  • 沼田 善子 NUMATA Yoshiko 共同研究者
  • アヌブティ チャウハン CHAUHAN Anubhuti 共同研究者
  • 松本 曜 MATSUMOTO Yo 共同研究者
  • 籾山 洋介 MOMIYAMA Yousuke 共同研究者
格助詞意味役割アノテーション班
  • 岸本 秀樹 KISHIMOTO Hideki 格助詞意味役割方式策定・アノテーション監修
  • 安下 尚吾 YASUSHITA Shogo アノテーター
  • 嘉藤 優太 KATO Yuta アノテーター
  • 原賀 明花璃 HARAGA Akari アノテーター
  • 上橋 秀太 UEHASHI Shuta アノテーター
  • 石川 さくら ISHIKAWA Sakura アノテーター
  • 林 佑実 HAYASHI Yumi アノテーター
  • 齋藤 諒弥 SAITO Ryoya アノテーター
  • 田中 誠士 TANAKA Seiji アノテーター
  • 吉川 史緒 YOSHIKAWA Fumio アノテーター
  • 土井 美琴 DOI Mikoto アノテーター

謝辞

このインターフェースの作成には下記のプロジェクトの支援を受けました。

科学研究費補助金基盤研究(B)「学習者のニーズを反映した大規模な動詞用法データベースとオンライン教材の開発と公開」(23K21944)

参考文献

Jacobsen, Wesley M.The Transitive Structure of Events in Japanese. Kurosio Publishers, 1992.

Matsumoto, Yo. "Appendix A: List of Core Transitivity Pairs in Japanese (by Yo Matsumoto, a Revision of Jacobsen (1992))." Transitivity and Valency Alternations: Studies on Japanese and Beyond, edited by Taro Kageyama and Wesley M. Jacobsen, De Gruyter Mouton, 2016, pp. 479-88. https://doi.org/10.1515/9783110477153-017

お問い合わせ

以下のメールアドレスまでお問い合わせください。

prashantninjal.ac.jp

更新履歴

2026.11.01 バージョン 1.00 一般公開

インターフェース開発

赤瀬川 史朗(Lago NLP)